講演情報
[124]医療機器本体および医療材料へのUDI バーコード表示状況に関する実地調査報告
稲場 彩紀, 和田 陽奈, 高井 弘光, 芥川 誠, 植村 康一 (GS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター))
【はじめに】医療機器・材料/消耗材については,医療安全やトレーサビリティ確保の観点から,各製品を識別するための情報がエンコードされたGS1バーコードを表示することが推進されてきた.この流れを受けて2022年12月以降は,医療機器等の販売包装へのバーコードの表示が,改正薬機法(医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年法律第63号))に基づく義務となり,UDI(Unique Device Identification: 医療機器固有識別)の重要性についても認識が広がってきている.しかしながら,医療現場でのGS1バーコードの活用は必ずしも進んでいるわけではないのが現状である.その理由の一つとして,表示対象や表示位置,表示項目などが医療現場での利用に適した状態になっていないという点も挙げられている.特に,実際に医療現場で取り扱われる,医療材料の個装や医療機器本体といった単位についてはバーコード表示義務化の対象となっておらず,GS1バーコードの表示が無いものも一定数存在すると推察される.そこで,医療材料,医療機器本体それぞれについて,バーコード表示に関する課題を整理すべく,表示状況の調査を実施した.【方法】医療材料,医療機器(ME機器などの繰り返し利用される可搬型の機器)それぞれについて,使用点数が比較的多い医療機関(各1機関)の協力のもと,当該医療機関にて対象製品の現物を見てバーコードの表示有無を確認し,バーコードが表示されている場合はこれをスキャンすることで,バーコードの個数,種類,表示されたデータ項目等を記録し,集計をおこなった.医療機器本体については表示位置の調査も実施した.【結果・考察】本抄録作成時点で結果集計中であり,詳細は発表にて報告する.なお,医療材料については同様の調査を2019年にも実施しており,その際の結果との比較も交えて報告をおこなう.