講演情報
[125]手術器材準備におけるシステムの活用と業務改善(第一報)
冨樫 清英1, 河野 絵理1, 中崎 理恵子1, 山内 朋子1, 林田 史香1, 神館 笑1, 旗手 まどか1, 佐藤 優衣1, 中村 公美1, 高山 陽太2 (1.北見赤十字病院 物流情報管理室, 2.サクラ精機㈱感染制御事業本部 札幌営業所)
【はじめに】当院では,2014年12月新病院移転後,手術器材再生処理を全面的に当部署へ移管した.その後,手術用消耗器材の管理,借用器材の管理等業務移管をおこなった.手術件数はこの10年間で年間約1,000件増加し,手術支援ロボット・ナビゲーション等の導入が図られ,使用される手術器材の種類・数量が大幅に増加した.また,指定管理制度の導入に伴い公的病院との2病院対応が求められ,手術オーダーに対して数多くの手術器材を準備しなければならず,インシデント発生件数が年々増加していることから,安全な手術器材を提供するためにシステムの活用を検討し,滅菌物の品質管理と手術器材準備に係るシステムを導入し安全な滅菌物の提供を目指すこととした.【方法】まず,過去10年の手術件数,また,当部署における時間外勤務を調査し,業務量と人員の比較をおこなった.次に,滅菌物に係るシステムを調べ将来の運用を考慮したシステムを選定した.次に,使用施設を視察し当院における運用を検討した結果,滅菌物品質管理システムと手術準備ユニットの導入を決定した.その後,システムに合わせた業務改善を実施.手術器材のナンバリング,消耗品のパッケージ化,ピッキングリストの整備等を検討し実施した.【結論】システムの導入により手術直前に滅菌物が無い等のインシデントが皆無となり,安全な手術器材の提供が図られた.また,システムを利用し業務の標準化を図ることにより,誰でも同様の業務がおこなえること,専門職以外の人員で手術準備をおこなう等,労働人口不足に伴う人材確保においてもシステムの活用は効果的であり今後もさらなるシステム整備に取り組んでいきたい.