講演情報
[127]医療材料のGS1 バーコードの活用による業務効率化の試み
小野 達也, 河野 将太, 真鍋 浩紀, 宮崎 昌彦 (医療法人住友別子病院 臨床工学室)
【背景】2022年12月より,医療用医薬品・医療機器等へのGS1バーコードの表示が義務化された.GS1バーコードは,流通の効率化のために様々な分野で活用されており,医療分野においても業務の効率化や医療安全の向上が期待されている.【目的】当院の心臓カテーテル室では,虚血性疾患に対する経皮的冠動脈形成術や下肢血管内治療,不整脈疾患に対するデバイス植え込みや経皮的カテーテル心筋焼灼術において多くの医療材料を使用しており,その保険請求業務が煩雑であった.そこで,GS1バーコードを活用したシステムを構築し,業務の効率化を図ることを目的とした.【方法】データベースソフトウェアFileMakerにてデータベースを作成し,放射線部門システムに登録されている医療材料の情報(製品名,商品識別コード(GTIN),部門システムコード等)をマスタとしてインポートした.使用した医療材料の管理には,GS1バーコードのアプリケーション識別子からGTIN,ロット番号,有効期限日を識別するスクリプトにて対応した.スクリプトは,医療材料を使用する際にGS1バーコードを読み取ることで実行され,取得した情報とそこから得られたマスタ情報は,データベースに登録された患者情報と紐付けされる.症例終了後,使用した医療材料リストを出力し,リストを基に医事会計職員が保険請求をおこなう.【結果】医療材料の情報と患者情報を紐付けした管理が可能であった.使用した医療材料リストにより医事会計職員の業務時間を短縮できた.【考察】GS1バーコードを活用することで,業務の効率化が図れた.また,ロット番号や有効期限日を把握できることで,トレーサビリティの向上や期限切れ材料使用のインシデント防止にも有用である.心臓カテーテル室以外においても,それぞれの業務に合わせたシステムを構築することで,業務の効率化と医療安全の向上が期待できる.【結語】GS1バーコードを活用し,業務の効率化が図れた.