講演情報

[133]専門学校に滅菌供給業務の教育課程を

水谷 光1, 大出 めぐみ2, 林 有香 (1.市立貝塚病院 麻酔科・中央材料室, 2.ワタキューセイモア㈱近畿支店 業務部管理2課)
【背景】医療施設の滅菌供給部門は患者の生命に直結する業務を担うため,責任は重い.その従事者には,専門的な知識・技術・技能が求められる.ところが本業務の社会的認知度は低く,知らずに従事する無資格のパートタイム労働者が多い.従事後の教育も十分ではない.業界全体において,長年人材の確保にも苦慮している.【提案】医療系の専門学校に,滅菌供給業務の教育課程を設ける.【期待されること:学生】専門的な知識・技術・技能を身につけ,滅菌技士/技師の資格取得を目指す.主な就職先は,医療施設や受託企業を想定.【期待されること:学校】新分野を開拓.就職先となる医療施設や受託企業と連携.【期待されること:医療施設と受託企業】本業務に関心を持って入学し専門教育を受けた学生が,毎年一定数輩出.定着率の向上や,入職後の初期教育の最小化.QMSに基づく業務を担い,将来は主力となる人材の獲得.【期待されること:関連業界のすべて】本業務が一般に広く認知され,プロフェッショナルがおこなうべき専門的業務であると理解.【官庁による認定】所轄する文部科学省は,専門学校のうち企業等と密接に連携して最新の実務の知識・技術・技能を身につけられる実践的な職業教育に取り組む学科を「職業実践専門課程」として認定している.【本学会の役割】第2種滅菌技士の受験資格「滅菌供給に関わる業務等の実践に通算3年以上携わっていること」の「実践」が「実践もしくは専門教育」に改定されると,卒業と同時に資格取得見込み者となる.【諸外国の状況】すでに存在している.【課題】教官や実習場所の確保.本課程を履修していない現職員に対する配慮.【付】本提案は過去に検討されても実現しなかったが,ガイドラインの普及に伴い従事者に求められるレベルも高くなり,改めて検討していただきたい.利益相反なし.