講演情報
[15]RFID と電子はかりを用いた医薬品使用モニタ装置の改善とクラウドサービス利用
加藤 尚弥1, 西田 汰靖1, 内田 裕久1, 内田 惠子2, 中澤 徹3 (1.豊橋技術科学大学工学部電気・電子情報工学系, 2.東北労災病院, 3.東北大学医学部眼科学教室)
医薬品の服用と履歴の管理は,患者本人だけでなく,介護者や医療従事者においても重要である.現在,お薬カレンダーや医薬品管理装置が使用されているが,多くは錠剤や包装された医薬品が対象である.そこで本研究では,液体や半液体の点眼薬や軟膏にも対応が可能な医薬品使用モニタ装置1)の開発をおこなってきた.この装置は,RFID(Radio FrequencyIdentification:無線周波数識別)による医薬品の種類と持ち上げの検出,そして電子はかりによる重量変化を測定して,医薬品の使用状況をモニタする.本研究は,この装置の問題を改善するものであり,クラウドサービスを利用することで,遠隔地からも服用状況の確認ができるようにするものである.本装置は長時間の使用を前提としているため温度などの環境が変わることへの対応が必要である.電子はかりによる長期間の測定が必要になるため,重さを測るロードセルの温度変化による影響を回避するための方法を導入して,温度変化による重さの誤差を小さくすることができた.また,使用記録は,遠隔地からでも見ることができるようにアマゾンクラウドサービス(AWS)を利用し,サーバに使用記録データを保存し,クラウドアプリから服用記録を閲覧できるようにした.文献1) 加藤尚弥,安永弘樹,内田惠子,中澤徹,内田裕久,医療機器学 Vol. 94, No. 6,p.603( 2024).