講演情報
[19]メーカと協同した洗浄工程の再構築の検討~ボアスコープから見えた内腔汚染の現状~
曽根 新太 (社会医療法人元生会森山病院)
【背景】日本のガイドラインにおいて,洗浄後の再処理可能医療機器(RMD)の製品適格性が確保は,拡大鏡を用いての目視検査および機能検査・動作確認をおこなうことと推奨されている.当院においては,新築移転した2020年11月からボアスコープを使用するために,教育と運用を検討してきた.実際にボアスコープ使用すると,特にフレキシブルリーマーの汚染が目立ち,何度も洗浄しても汚染を除去することが困難であったが,メーカからの図面の提供や2種類のブラシの選択することにより汚染物を取り除くことができたため報告する.【目的】整形外科の借用器械のフレキシブルリーマーの汚染状況をボアスコープにて評価し,適切な洗浄工程を報告する.【方法】【1種類のブラシを使用】1.手術で使用したフレキシブルリーマーを,流水で骨片などを洗い流したのちにお湯40℃で0.75%中性多酵素洗浄剤の恒温槽内に浸漬し,洗浄用ブラシφ5mm(ブラシ長2.5cm,シースΦ1.75mm,全長60cm)を使用してブラッシングをする.2.減圧沸騰洗浄器に積載しアルカリ洗浄工程にて洗浄する.3.乾燥器に入れ,乾燥が終了したらボアスコープにて異物があるか確認し静止画・動画を撮影する.4.汚染が認められた場合,洗浄工程を1.から同じ工程で再洗浄を実施する.【2種類のブラシを使用】1種類のブラシを使用1.の手順の後に,2.フレキシブルリーマーのリーマー側を洗浄用ブラシφ6mm(ブラシ長3cm,シースΦ3mm,全長65cm)を使用してブラッシングを追加する.3.4.の工程は同様に実施する.【結果】ボアスコープでフレキシブルリーマーの内腔を確認すると,2種類のブラシを使用した方が汚染を取り除くことができた.【結論】内腔のあるRMDは,ボアスコープを使用することで,滅菌工程前に汚染や異物,乾燥不良の有無を確認することができる.