講演情報
[2]当院の最新手術支援ロボットにおける臨床工学技士の関わり
小西 雄貴1, 上野 康寿1, 寺本 哲哉1, 杉山 晴彦1, 松上 紘生1, 舩木 一美2 (1.鳥取大学医学部附属病院 ME センター, 2.鳥取大学医学部附属病院 麻酔科)
【はじめに】当院は,2023年3月にHugo(メドトロニック社製)を導入し,2024年12月現在までに92症例の手術を実施した.Hugoは,4つのアームが独立しており,症例に応じて柔軟な配置が可能であること,オープンコンソールであるため,手術スタッフとのコミュニケーションが容易となる特徴がある.今回,臨床工学技士とHugoの関わりについて,当院の現状を踏まえて報告する.【現状】臨床工学技士の主な業務内容は,手術支援ロボットの準備・片付け,ロールイン・ロールアウト,トラブル対応である.原則,常駐対応をしており,トラブルに迅速に対応できる体制としている.器材の管理では,使用回数に制限がある消耗品があり,看護師と協力して回数管理をおこなっている.主な器材として,シムと鉗子がある.シムは,片付けの際に再装着をおこなうことで残量を確認し,鉗子は洗浄後にマジックで回数を記載している.どの器材も,従来機種のように手術で使用した器材の一覧と使用回数が確認できないため,古典的な管理方法をとらざるを得ない状況となっている.経験したトラブルは,2023年3月の導入時から2024年12月までの期間で35回発生し,主な内訳は鉗子24回(68%),カメラ異常4回(11%)であった.特筆すべき対応として,再起動7回(システム:2回,アームのみ:5回),サージョンコンソール入れ替え2回があった.【考察と展望】消耗品の残回数把握が,現状では間違えうる状況にあり,鉗子などの消耗品の使用回数の把握が,簡便にできるようにすることが望まれる.トラブルに関しては,アーム単独での再起動が可能なため,手術を続行しながらの対応が可能であるが,全システムの再起動症例もあり,鉗子不具合も含め,システムの安定動作が求められる.Hugoは,特色を生かした自由度の高いレイアウトが可能であり,現状は微調整を繰り返しながら良い形を模索中である.スタッフ間で情報共有し,最適な運用を目指していきたい.