講演情報
[20]目視に拠らない洗浄インジケータの残存汚れの客観的評価法 第3報
平田 晴輝1, 児山 祥平1, 三浦 寿朗2, 鶴島 信孝2 (1.信州大学大学院総合理工学研究科繊維学専攻, 2.サクラ精機㈱)
国内で使用されている洗浄インジケータの中には,洗浄装置での洗浄後にインジケータに残存するソイルを目視で評価し,装置の稼働状況を評価している.しかしながら,洗浄後の微量な残存ソイルの判定は困難で,評価者の主観に左右される課題がある.第2報にて,客観的に評価をするためにカメラを用いた残存ソイル量評価法を開発し,その数値化を実現したので報告した.しかし,病院現場でインジケータの使用者が実際どのように判断しているかは未知であった.本報告では,開発中の洗浄評価システムとの整合性を確認するため,使用者が何を基準にどのように判断しているか,市販の洗浄インジケータを使用している病院に対して,洗浄評価法とその判断基準についてのアンケート調査結果を報告する.超音波洗浄したSTFインジケータを3種類提示し,【汚れが落ちていない(汚れが多い)】と判断する順に順位付けをして頂いた.また,インジケータの残存ソイルの判断基準(濃淡,形など)についてもオープンクエスチョンでの回答をお願いした.回答数は24病院であった.その結果,研究している評価システムでの汚れの数値が同じであっても,使用している現場では,色の濃い箇所があるインジケータと薄く万遍なく汚れがついているインジケータでは,濃淡も判断基準の一部にして,濃いものを汚れが多いと判断する傾向にあった.現在の評価システムが汚れの濃淡を考慮せず単位面積当たりの汚れのみで評価しているため,面積と濃淡の両方の評価が必要であることが分かった.