講演情報

[21]洗浄効果判定における間接判定法インジケータの使用経験

小山 昌利 (公立陶生病院)
【背景】2021年の滅菌保証のガイドラインに記載があるように,近年洗浄に関わる評価方法も重要視されてきている.滅菌の質を保証し患者に安全な医療器材を提供するためには,適切な洗浄が求められる.洗浄の評価方法には直接判定法と間接判定法があるが,間接判定法では各メーカより様々な種類の洗浄評価に用いるインジケータが開発されている.【目的】間接判定法は擬似汚染物が塗布されたインジケータであり,被洗浄物と一緒に洗浄装置にいれて,洗浄後に擬似汚染物の残り具合にて洗浄効果を判断する手技である.今回間接判定法を導入する目的にて多くのインジケータを同時に評価する機会を得たため,ウォッシャーディスインフェクター(以下WD)の同じ行程で確認した際の各インジケータの残留状態を比較した結果を報告する.【方法】WDはGETTINGE社製88TURBOに9社の各インジケータを同じトレーに入れ同じ場所・環境で洗浄をおこない,洗浄工程による違い,トレー場所による違いを検討した.また評価方法に関しては残留状態の目視となるため,写真にて判断することとした.【結果】アルカリの洗浄工程では全てのインジケータにおいて洗浄効果は高く各インジケータ判定が明確であった.その他の工程ではインジケータの洗浄除去である残留状態に差を認める結果であり,また機械内の位置によっても残留状態に差が生じる結果であった.【考察】2021年の滅菌ガイドラインには,洗浄後に擬似汚染物の残り具合にて確認評価する,とされている.しかし今回の実験のような残り具合にバラツキを認めた際の判断は難しく,残留状態の程度の判断である洗浄効果判定は使用者側に求められるため,どの程度ならOKとするのかインジケータの基準等を示す統一した指標が求められるのではないかと感じられた.