講演情報
[27]A 病院におけるウォッシャーディスインフェクター専用洗剤の変更への取り組みについて
大原 恵美, 荻野 栄二, 大賀 清美 (倉敷中央病院 中央滅菌センター)
【背景と目的】当院では2012年に中央滅菌センターの移転に伴い2台のウォッシャーディスインフェクター(以下WD) を移設,7台のWDを新規導入した.導入当初から中性酵素配合洗剤を使用し今日に至る.他施設の見学や複数メーカから情報収集すると,再使用可能医療機器(以下RMD)の適合範囲も広く,材質へのダメージも大きくない.また,滅菌保証ガイドラインには「弱アルカリ性酵素配合洗剤は,中性酵素配合洗浄よりも洗浄性に優れている」と記載があることから,既存の洗剤より洗浄効果が期待できると考え,以下の方法で変更に至ったので報告する.【方法】1.洗剤は6社7製品の弱アルカリ性酵素配合洗剤と既存の洗剤を準備した(合計8製品).2.水温を50℃に設定し,計量カップ(500mL)に各種洗浄剤を0,5%で調整した.3.洗剤調整後にpH,色度,温度を記録する.4.計量カップに洗浄インジケータを10分間浸漬した.5.10分後,洗浄インジケータを取出しソイルの状況を目視確認し記録した.6.洗浄インジゲータは3種類使用し,比較表を作成して総合的に評価した.【結果】インジゲータA:各社の洗剤によりソイルの残存に目視で判定できる差異が確認できた.インジゲータB:洗剤中に投入するタイミングで気泡が残るものがあるが,ソイルの残存に目視で判定できる差異が確認できた.インジゲータC:全ての洗剤でソイルの残存が確認できず目視で判定することが困難であった.【まとめ】最終的に,評価試験・採用実績・価格・メーカのサポート体制を総合的に判断し採用品を決定した.今後,洗浄器メーカによる洗浄バリデーションも実施する予定である.哺乳瓶洗浄においては,浸漬・手洗い工程を削除した手順で洗浄しても従来の洗浄結果より良好な結果となった.他のRMDも洗浄評価をおこないながら,これまでの課題である用手洗浄の削減にも着手したい.