講演情報

[33]医療法に基づく立入検査における医療機器管理システムの課題

石井 宣大1, 川崎 淳一1, 原田 学1, 林 恭平1, 鹿瀬 陽一2 (1.東京慈恵会医科大学附属柏病院 臨床工学部, 2.東京慈恵会医科大学附属柏病院 麻酔部)
【はじめに】医療機器安全管理は,患者安全と医療の質を確保する上で極めて重要であり,医療法に基づく立入検査は,その管理体制を評価する重要な機会となる.医療法に基づく立入検査の調査項目に着目し,医療機関における医療機器管理システムの現状と課題を明らかにする.【目的】医療法に基づく立入検査の調査項目を分析することで,医療機器管理システムにおいて普遍的に見られる課題を抽出し,その改善策を考察する.【方法】医療法に基づく立入検査において医療機器安全管理における調査項目を網羅的に分析し,医療機器管理システムにおける課題を抽出した.【結果】医療法に基づく立入検査の調査項目から見出された主な課題として,文書・記録管理,保守点検・運用管理,職員研修,医療安全情報の収集と活用,ITシステムの活用,部門間連携,安全文化の醸成が挙げられた.【結論】医療法に基づく立入検査の調査項目は,医療機器管理システムの課題を多角的に捉えるための有効な視点を提供した.これらの課題を解決するためには,ITシステム導入による管理のデジタル化,職員教育の充実,部門間連携の強化,安全文化の醸成,そして継続的な改善が不可欠である.