講演情報
[39]院内全ての医療機器管理体制の構築を目指して
松川 陽明, 松浦 健, 小嶋 昌信, 遠藤 完 (大崎市民病院 臨床工学部)
【背景】当院では2014年から新病院移転を契機に医療機器中央管理をおこなってきた.当院事務職員は市職員のため,数年で他部門や病院以外の関連施設へ移動となり医療機器に精通した職員が少ないため,臨床工学部の中央管理機器に加え院内全ての医療機器も医療機器台帳に登録を開始し,共有の医療機器台帳構築を目指した.今回,院内全ての医療機器を包括的な管理体制構築し始めたので報告する.【方法】院内共通機器台帳構築のため,医療安全の下部組織として他職種で構成される委員会を設置した.そこで,資産台帳とME機器台帳を統合目的に,各部門にも協力頂き医療機器の備品棚卸を実施.院内医療機器台帳にMETS社製Me-ARCを導入し構築してきた.システム条件として,院内診療端末で機器情報の取得が可能であり,事務部門と管理システムのマスター,保守点検の共有可能である.また,システム上で,添付文書や院内勉強会資料の閲覧を可能とし,職員の医療機器に対する情報共有を図った.【結果】システムの導入により機器の入力を臨床工学でおこなうことで,常に事務部門も機器情報にアクセスでき情報収集が容易になった.事務部門の業務軽減化を図り院内共通のソフトを用いた機器台帳が構築されることで事務スタッフの業務軽減となった.医療機器に精通していない者でも機器の購入,廃棄,更新に必要な情報収集が容易におこなえることが可能となった.また,診療端末上で,添付文書や院内勉強会資料,簡易マニュアルが閲覧,取得でき,常に全職員が医療機器の情報取得が可能となった.【考察・結語】管理システムの導入により,院内統一管理が可能となった.しかし,対象の機器が膨大であるため,短期間で効果を出すことは困難である.しかし,システム導入により課題に取り組み始めることが可能になった.今後は,院内で発生する医療機器に関する要望,相談,トラブルなどに対する対応を一括で可能にし,価値観を高めていきたい.