講演情報

[47]臨床工学技士養成課程での利活用を目指した可動式医療ガス配管端末の考案と配備

真茅 孝志1, 鹿島 裕2, 佐野 真拓3, 山田 知輝3 (1.久留米大学医学部医療検査学科, 2.純真学園大学保健医療学部医療工学科, 3.㈱セントラルユニ)
【背景】臨床工学技士には,医療ガス配管設備(JIST 7101)に関する知識の習得と理解が求められる.さらに臨床工学技士の養成課程では,医療ガスを用いた生命維持管理装置などの操作に関する実習もおこなわれる.そこで純真学園大学において,医療ガスを用いた実習を充実させるため,医療ガス配管設備の設置を検討した.しかし,医療ガス配管設備の設置を予定していた実習室はプレハブで増設されたものであり,天井部分が医療ガス配管の荷重に耐えられない可能性があるとの結論に至った.【目的】以上の背景から,医療ガス配管設備の代替となる教育用機材の考案と配備をおこなった.【考案時のコンセプト】1)場所を選ばず使用できる(可動式).2)医療ガス配管設備の構造の理解につながる.3)人工呼吸器や麻酔器にガスを供給し,稼働させることができる.これらをコンセプトに可動式医療ガス配管端末を考案した.【仕様】高さ1,652mm,幅950mm,奥行550mmのパネルに,ピン方式のアウトレットを設置した.アウトレットから各種ガスを実際に供給できるよう,延長ホースとアダプタプラグをパネル背面に設け,高圧ガス容器やエアーコンプレッサなどのガス供給源との接続を可能にした.さらに,外観見本としてシャットオフバルブと警報装置もパネルに組み込んだ.なお,エアーコンプレッサと可動式医療ガス配管端末を接続した際に,静止状態での送気圧力に明確な変化(圧力損失)は認めなかった.【利活用の例】医療ガス配管設備の理解や,人工呼吸器,麻酔器の操作に関する実習など,様々な場面での利活用が期待できる.【今後の課題】学修効果をさらに高める目的で,すでに設置のピン方式のアウトレットにシュレーダ方式のアウトレットを追加(並列に接続)し,またガス供給源とアウトレットの間で,実際にシャットオフバルブを接続するなどの改良を目指したい.