講演情報

[52]医療施設内における滅菌保管室の温度・湿度管理の実態調査

久保木 修1, 森下 由美2, 今園 千十世3, 岩崎 美香4, 野田 美紀5, 前田 朋美6, 山内 薫7, 高橋 典子8, 川本 典子9 (1.京滋滅菌業務研究会, 2.舞鶴共済病院, 3.北摂総合病院, 4.綾部ルネス病院, 5.京都桂病院, 6.大津赤十字志賀病院, 7.京都府立医科大学医学部附属病院, 8.大阪医科薬科大学病院, 9.京都大学医学部附属病院)
医療現場における滅菌保証ガイドライン2021(以下ガイドライン)滅菌物の保管 16.1.1では,バリアされた滅菌物を保管するにあたって,換気に関連する項目と諸室の照度および温度(20 ~ 25℃)・湿度(40 ~ 50%)について勧告されている.また,参考Bには「湿度が70%まで上昇すると無菌バリアシステムに影響を及ぼす可能性がある」と記載されていることから保管環境の状況にも配慮する必要がある.当研究会参加者を対象に滅菌保管室の構造や空調管理および温度・湿度管理の実際について調査したので報告する.87施設から回答があり,医療施設の病床数は,100床未満(11.5%),101 ~ 300床未満(34.5%),301 ~ 500床未満(25.3%),500床(28.7%)である.滅菌保管室の分離については,86.2%が分離されていると回答.滅菌保管室の空調については,24時間,365日稼働が58.6%,勤務時間中稼働が35.6%,分からないが5.7%であった.滅菌保管室の温度・湿度計の設置については,設置が66.7%,未設置が33.3%であった.温度・湿度計を設置している58施設に対し,記録の有無を確認したところ62.1%が記録をしていた.記録をしている36施設に対し方法を確認したところ,紙媒体の日誌に手書きが63.9%,電子媒体の日誌に入力が30.6%,電子媒体と記録計を接続し自動で記録が5.6%であった.ガイドラインでは各工程にリリース基準が設けられており,基準に満たしたRMDが臨床での使用が許可されることから滅菌保管室の環境管理も重要であり,それを適切にモニタリングする仕組みも欠かせない.