講演情報

[78]近隣施設との電波混信対策後に生じた電波干渉について

吉山 潤一 (中国電力㈱中電病院)
【はじめに】第92回大会で医用テレメータにおける近隣施設からの電波混信の経験を報告した.混信対策として,施設間でチャネル情報を共有し共同でチャネル管理に取り組んだ.その後,混信は発生していなかったがこの度,再度電波干渉を経験したので報告する.【事例の概要】病棟から送信機使用中に電波切れが多々発生したとの連絡を受けた.心電図の記録を確認したところ,明らかに電波干渉を示唆する記録であった.該当チャネルの送信機は使用を中止し,他チャネルの機器に変更.院内の他階で同一チャネルおよび近接チャネルが使用されていないことを確認した.院内ではなく院外からの電波混信が示唆されるため,メーカに近隣施設で同じチャネルが使用されていないか再調査中である.また,電波干渉に再現性があるか検証をおこなった.【方法】送信機は干渉を受けたチャネルと検証用のチャネルの2台を使用.混信が発生した病室付近と病棟の反対側の2か所に送信機を設置し,心電図シミュレーターを用いて心電図をモニタリングし混信の有無を調査した.【結果】病棟で干渉を受けた送信機には調査中混信は認められなかった.しかし,検証用に準備した送信機においてノイズ様波形から電波切れになる干渉を示唆する波形が医用テレメータ上に記録されていることが確認された.【考察】近隣施設との電波混信対策後にゾーン配置を基本にチャネルを棲み分けたことで混信は発生していなかったが今回電波干渉が発生した.近隣には対策をおこなった施設以外にも施設があり他施設からの干渉の可能性が否定できない.現段階では干渉の原因特定には至っていないが,干渉が発生している以上該当チャネルは使用できない.また,検証用で用いたチャネルも短時間ではあるが干渉を受けていたことから使用を避ける必要がある.【まとめ】近隣施設との電波混信対策後に再度電波干渉を経験した.原因の検索をおこない,安全なチャネル管理の検討を続けたい.