講演情報
[91]AI 画像センサによる歯科用ハンドピース・バー仕分け支援システムの開発
足立 沢実1, 田中 美香1, 青崎 宜子1, 大塚 有紗1, 岡田 紗英1, 橋本 素乃1, 馬場 重好1, 久保田 英雄1, 中野渡 寛之2 (1.東京科学大学病院 材料部, 2.㈲東奥電気)
歯科診療で切削研磨に用いるハンドピース用のバーは,材質や形状の違いによりさまざまな種類がある.1日あたりの外来患者数が1,300名を超える当院では,日々5,000本以上のバーを再生処理しなければならない.ここで問題となるのがバーの仕分け作業である.先端や軸のわずかな寸法の違いを人の目で見分け,種類ごとに仕分けしており,多大な労力を要する.仕分け技術の習得に半年以上の時間がかかり,人材育成も容易ではない.今後,労働人口の減少とともに業務従事者の減少や入れ替り,新人率の増加を想定し,作業を標準化する必要がある.再生処理の品質を確保しつつ,効率的にバーを管理できる,業務従事者のスキルレベルによらない運用体制の構築を目指し,特別な訓練を実施しなくてもバーの仕分けができるよう,AI画像センサによるバーの形状識別機能を用いた仕分け支援システムを試作開発することにした.バーの仕分け作業は全てが難しいわけではない.例えば,タービンやコントラ用のバーは軸の末端形状で容易に判別ができる.また,標準粒子(無印),微粒子(緑ライン),金メッキ(超微粒子)の分類や,ラウンド,テーパーなどといった形状の分類もさほど難しくない.難しいのはミリ単位の寸法違いの判別であり,そこにAI画像センサを適用するメリットが出てくる.ただし,いきなり多種類,多量のバーを一気に分類させることは難しいため,今回は種別ごとに数本ずつ仕分けした状態で,異種のバーが混在していないかどうかを判定するエラーチェック機能を搭載したシステムを開発することとし,実装した機能と結果を報告する.