講演情報
[97]保湿保持バッグによる用手洗浄削減トライアルの報告
冨樫 清英, 河野 絵理, 中崎 理恵子, 山内 朋子, 林田 史香, 神館 笑, 旗手 まどか, 佐藤 優衣, 中村 公美 (北見赤十字病院 物流情報管理室)
【はじめに】近年,中材での人員不足が深刻な問題となっている.当院でも人員不足と補充が厳しい局面が続いており,部署として現状直面している課題である.院内の医療機器の管理を司る中材の機能を損なうことは医療施設の存在をも揺るがす事態として認識している.海外の報告で,保湿保持バッグを導入しウォッシャーディスインフェクター(以下WD)洗浄前の用手洗浄を削減し洗浄負荷を軽減した実績があることを知った.洗浄負荷を軽減することは業務負荷軽減となり,人員不足に直面している当院にとっても朗報である.今回は当院の環境においてその用手洗浄削減効果の可能性を検証してみたので,その報告をしたい.【方法】当院のワーストケースとして,時間外に及ぶ手術の汚染の激しい洗浄困難な器具を想定した.対象の症例として消化器外科・婦人科の手術を設定.手術終了後の器具のうち鉗子などを検証対象として.そのうち汚染の激しい器具を2グループ(各3~5本)に分ける.グループ1は蛋白凝固防止スプレー噴霧後コンテナ保管した器材を翌日以降に取り出し,WD処理を施す.グループ2は保湿保持バッグで保管した器材を翌日以降に取り出し,WD処理を施す.消毒工程前に対象器具を取り出し抽出作業し,残留タンパク質を測定する.3バッチ実施しその結果を比較する.【結果と考察】保湿保持バッグによるトライアルのプロセスに対する評価結果を報告する.当院では休日・夜間および時間外に及ぶ手術のようなワーストケースを基準とし日常作業を標準化している.今後,今回の結果を元に更なる検証を進め,保湿保持バッグの導入と作業手順を見直し,業務環境の改善に努めたい.