講演情報
[98]欧州で開発された新不織布製滅菌バッグの有用性
本田 隆治, 本田 宏志 (㈱ニチオン 手術器械再生処理システム部)
本邦でも多くの滅菌用包装材が使用されているが,整形外科の貸出機器などは重量があるため,取り扱いの際に引きずってしまい底部分の滅菌ラップ材が破損してしまうことが多く見受けられる.また滅菌コンテナも製造会社が保証するのは新品の時のみで,1回使用後は蓋が曲がっていないかまたは蓋にあるガスケット(ゴム)が摩耗していないかを毎回確認して使用しないといけないが,現実的におこなっている施設は少ない.長年コンテナを使用していると滅菌バリア性を失い,中身の滅菌性の維持ができていないという欧州の病院の報告もあった.そこで,欧州では新不織布製滅菌バッグが開発され,従来の包装材と比べ,穿刺抵抗,シール強度,破裂強度が約4倍あるバリア性の高い滅菌バッグが開発され,整形外科の貸出機器,滅菌コンテナの代わり,2重包装から1重包装などに使用されている.この新不織布製滅菌バッグの有用性について欧州の大学病院の検証結果を踏まえ報告する.