講演情報
[パネルディスカッション1]メンテナンスのアウトソーシング-企業の視点から-
佐々木 俊介 (㈱ムトウテクノス MEシステム部)
「医療法」「臨床工学技士法」「医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律」等の,医療機器保守点検に関わる様々な法律が改正され,医療安全への取り組みが法律により強化されてきている.中でも,2007年第5次医療法改正では,『医療機器の保守点検に関する計画の策定及び保守点検の適切な実施』として,すべての保険医療機関の管理者に対して,義務付けられた.医療機関では,医療機器安全管理責任者を中心に臨床工学技士や外部委託を受けた業者が保守点検業務を実施している.臨床工学技士においては,2024年医師の働き方改革によるタスク・シフト/シェアにより業務範囲が拡大され,業務量が増加してきている.弊社は1999年より,およそ四半世紀,医療機器の保守委託業者として,病院施設内に常駐し医療機器の点検,修理等をおこなってきた.この25年の間で,法律改正の他,社会情勢の変化による物価,人件費の高騰,生産年齢人口減少による労働力の不足等,医療機関はもちろん,我々保守委託業者を取り巻く環境も変化してきている.医療機関においては,病院経営を考慮し,保守点検のアウトソーシングの是非を検討しなければならない状況である.本発表では,弊社のこれまでの経験からの保守点検の業務形態,アウトソーシングのメリット/デメリットや委託費用について報告する.本発表が今後の保守点検業務のアウトソーシングの再考の機会になれば,幸甚である.