講演情報

[パネルディスカッション6]改善事例3 モニターサーベイを受審して見えてきた課題

道林 仁子, 高橋 加代子, 大竹 広史 (東京女子医科大学附属足立医療センター)
1,はじめに当院では,昨年11月に日本医療機器学会による滅菌供給部門施設のモニタサーベイを受審した.評価にあたっては「医療現場における滅菌保証のための施設評価ツール」を用い,全120項目の内容について評価を受けた.当院は一般病院2の病院機能評価認定を取得している.それらの評価でも中央材料滅菌部門として評価を受けた.しかし,限られた時間の中で重要ポイントのみの評価であり,今回のような滅菌供給に関わる一連の工程や管理運用に至る多岐にわたる評価視点での評価を受ける機会はなかった.今回,モニタサーベイの申し込みから部署での準備,実際の評価,結果の受領,部署での課題の再認識,今後改善に向けての取り組みについてまとめたのでここに述べる.2,施設紹介病院名:東京女子医科大学附属足立医療センター 東京都区東北部(足立・荒川・葛飾区)医療圏特徴:高度急性期医療機関,地域医療支援,地域災害拠点病院等許可病床数:450床 職員:約950名中央材料室:診療連携部門3,受審までの対応1)モニタ受審への手上げと申し込み2)4月~ 11月の7か月間に120項目の評価内容を自己評価  ①改善事項に取り組む ②病院関係者との共有:病院長,看護部長,事務長,感染制御部,医療安全対策部,施設課,業務管理課3)受審当日①午前120項目について書類審査,質疑応答 ②午後現場視察,フィードバック4,受審を受けて今回,モニタサーベイの機会を得た.受審にあたり第一におこなったことは施設評価ツールの読み込みと評価内容の解釈であった.回答には「はい・いいえ」での評価であったが,記録やマニュアルなどをどこまで整備すれば良いのか,また,洗浄のバリデーション評価に対する回答など設問項目によって自己評価判定が難しいものもあった.実際の評価を受け,改めて項目の解釈や現場視察による助言を得たことでより課題の明確化に繋がった.また,中央材料室の部署課題と病院として取り組むべき課題の両面も明確となり,滅菌供給施設としての業務の安全性や品質保証など総合的な取り組みに今後繋げることができると言える.5,まとめ中央材料室が担う役割は,安全で安心な滅菌物の保証である.その保証の根拠となるものが何かを明確にしていくことが必要であると考える.そのために医療現場における滅菌保証のための施設評価ツールを活用し,かつ客観的な評価を受けることで,より確実で安全な滅菌物の管理運営部門としての保証に繋がると言える.