講演情報

[シンポジウム10]当院での在宅人工呼吸器における臨床工学技士の関わり

玉元 由果莉 (社会医療福祉法人 大阪暁明館病院 臨床工学科)
当院では20年以上にわたり,在宅人工呼吸器を使用する患者に対し,医師と臨床工学技士による訪問を実施している.在宅訪問における主な臨床工学技士の役割としては,在宅での機器点検はもちろん,在宅人工呼吸療法を開始する前の機器使用方法や注意点の指導,マニュアルやチェックリストの作成・共有や,患者本人だけでなく,家族や施設スタッフへの教育も含まれる.在宅での治療環境は院内とは異なり,特有のトラブルへの対応も求められる.例えば,電源確保や機器の清掃,保守点検など,患者や家族が日常的におこなうべき事項についても指導をおこなう.また,多職種との連携も重要であり,医師,看護師,リハビリスタッフなどと協力し,患者のQOL向上を目指している.本シンポジウムでは,これまでの経験について皆様へ共有し,人工呼吸療法における臨床工学技士の役割や課題について議論を深めていきたいと考える.