講演情報
[シンポジウム10]当院での在宅人工呼吸器導入に向けての試みと課題―臨床工学技士の役割についてー
石髙 拓也 (社会医療法人財団大和会 東大和病院 臨床工学室)
慢性呼吸器疾患患者は生命維持管理装置である人工呼吸器を長期的に必要とするケースが多く,在宅においても医療機関と同様な人工呼吸管理ができるよう配慮していかなければならない.医療の質や安全を確保しつつ,安心して在宅で過ごしてもらうためにもクリアするべき課題は多くあり,患者背景に応じて臨機応変に取り組んでいく必要がある.特に事前の居宅訪問にておこなう住居環境の調査はとても重要であり,場合によっては退院までに工事が必要となるケースもある.当院では慢性呼吸器疾患患者への在宅人工呼吸器や在宅高流量鼻カニュラの導入症例において,臨床工学技士として入院中から退院後まで患者やその家族への教育,事前の居宅訪問,在宅においての継続した教育等の介入を経験した.本シンポジウムでは在宅人工呼吸器導入時の臨床工学技士としての役割を提示し,当院で経験した在宅導入症例よりみえてきた課題について話していきたいと考える.