講演情報

[シンポジウム11]個体管理システム導入のメリット・デメリット

小久保 安朗 (福井大学医学部附属病院 手術部)
個体管理システム導入の最大の目的は,RMDのトレーサビリティ確保である.システム導入により,いつ,どこで,どの患者に,どの医師が使用し,使用後いつ回収され,どの洗浄・滅菌工程を経て,どこで保管されているかが全て自動的に記録され,必要な情報を直ちに取り出すことが可能となる.副次的な効果として,CSSD職員の大幅削減,手術部看護師の負担軽減,無駄な滅菌業務の削減,RMDの計画的購入が可能となる.トレーサビリティは,医療安全の面から極めて重要であるが,業務軽減によりCSSD職員,手術部看護師が本来業務に集中できるため,医療の質向上にも貢献できる.一方,導入にはコストがかかり,何万点もの使用中のRMDに識別コードを刻印しなければならない.これが唯一のデメリットであるが,導入時を乗り切ればもはやメリットしか感じない.今回,自施設における経験から,個体管理システム導入のメリット・デメリットについて述べる.