講演情報
[シンポジウム11]QMSの視点からの個体管理
齋藤 篤 (大阪大学医学部附属病院 材料)
医療機器における品質マネジメントシステムの国際規格であるISO 13485:2016 7.5.5では,滅菌物のプロセスパラメータを取得し,トレースが可能な状態にする,と要求されている.つまり,CSSDにとって滅菌管理システムはQMSを実行するための機能の一部と解釈できる.本シンポジウムのテーマである個体管理はRMDの詳細な履歴,情報を記録し,製品ライフサイクルの見直しや使用実績に応じたセット品の作成が可能となる.CSSD内での組立作業効率を高め,さらには複合アイテムの組み間違い防止効果に寄与する.このようにRMDの実現精度向上に期待できる半面,個体管理を実装するまでの準備や管理,継続性やコストが想定され,医療施設にとって欲しいベネフィット,避けたいリスクを考えなければならない.要は自分たちがどうしたいのか?何を追いかけたいのか?といった目的,適用範囲,そのための調査,導入してからの継続的改善を見据えた計画が重要である.