講演情報

[シンポジウム3]大規模病院での安全対策

梶原 吉春 (社会医療法人財団大和会 東大和病院 臨床工学科)
【はじめに】(公財)日本医療機能評価機構医療事故情報収集等事業の事例報告をもとに2010年1月~ 2014年9月までに発生しているインシデント・アクシデント件数と事例内容を調査した結果,酸素ボンベに関する事例が159件あった.事例の詳細は開栓忘れ(人工呼吸器停止を含む):55件,ボンベが空(人工呼吸器停止を含む):51件,転倒:15件,流量設定忘れ・確認忘れ:12件,残量確認忘れ(知識・認識不足・憶測):7件,漏れ・緩み:3件,その他(MRI持込・異臭・圧力計破損など):16件であった.【安全対策】開栓忘れに対しては流量調整器一体型酸素ボンベ(O2フレンド-GV:大陽日酸社製),アダプタプラグ用酸素アウトレット一体型酸素ボンベ(酸素で~る:AIR LIQUIDE社製),MRI室用酸素ボンベ(グッドランMR:大陽日酸社製)に変更することでヒューマンエラーを無くすことができる.ボンベ空事例に対しては残量警報器を付属することで空になる前に発報する.中央配管で注意してほしい点は,NPPVやHFNCの普及により,院内の酸素使用量が増加しているため,酸素の使用量を臨床工学技士も把握することである.当院では毎日施設管理課からメールで酸素使用量を報告する体制をとっている.シンポジウムでは色々な安全対策を紹介したい.