講演情報
[シンポジウム4]蒸気滅菌のPQにおける注意点
谷口 昌志 (三浦工業㈱メディカル病院機器技術部)
滅菌保証ガイドライン2021では,蒸気滅菌におけるSAL≦10-6達成を確認するために,新しい手法としてRMD(再使用可能医療機器)の表面温度測定を取り入れました.蒸気滅菌では,滅菌工程前の蒸気導入が短時間でおこなわれるため,RMDの温度上昇は包装外部よりも遅くなります.この遅れは滅菌達成に影響を与えます.表面温度測定は,この温度上昇の影響を評価し,RMD表面における滅菌条件の達成を直接確認する方法です.CSSDでは,データロガーという投入型の温度測定器を使用し,測定結果に基づいて滅菌条件の達成を確認する取り組みが進んでいますが,表面温度測定には新たな課題も報告されています.本シンポジウムでは,蒸気滅菌のPQに関する疑問点について議論し,CSSDが抱える問題の共有と解決を目指します.滅菌保証に従事する医療現場の方々のご参加を歓迎いたします.