講演情報
[シンポジウム4]過酸化水素ガス(プラズマ)滅菌
小山 高志 ((キヤノンメドテックサプライ㈱ヘルスケア生産統括部)
医療現場ではRMDの特性や再生処理のニーズに応じて複数の滅菌法が用いられている.その中で蒸気滅菌法は安全性や確実性の高さから第一選択肢とされており,大半のRMDは蒸気滅菌法により再生処理されている.長らく低温滅菌法の一つとして使用されてきたEOガス滅菌法は,滅菌剤の毒性の高さや管理の難しさ,行政による排出抑制により,近年は他の低温滅菌法に置き換わりつつある.滅菌保証に関する実態調査報告書6によると施設あたりの平均保有台数は蒸気滅菌器2.6台,EOガス滅菌器0.7台,過酸化水素ガス(プラズマ)滅菌器1.2台,低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌0.1台と報告されており,単純比較はできないものの低温滅菌法として過酸化水素ガス滅菌法が多く用いられていると推察された.一方で,同報告書によると過酸化水素ガス滅菌法のIQやOQは約半数の施設で実施されているがPQの実施率は26.2%と低く,PQの実践には課題があると考えられる.そこで,過酸化水素ガス(プラズマ)滅菌のPQの進め方について,計画段階からPQ実施までの流れの事例を紹介し,また,PQにおける技術的なポイントを説明する.