講演情報
[シンポジウム5]臨床工学技士が担う中材管理のすすめ～中材に入ってわかった重要性とこれから～
山下 由美子 (一般財団法人倉敷成人病センター 臨床工学科)
近年，手術室では多種多様な医療機器が導入され，手術手技は大きく進歩した．特に，内視鏡下手術（手術支援ロボット含む）の技術や機器は急速に進化し，操作や保守管理がより複雑化している．当院では，精密機器の保守管理を強化するため，2010年10月より中央材料部（以下中材）の所管を看護部から臨床工学科へ移管し，臨床工学技士（以下CE）１名を常駐させた．現在は，CE・看護師・助手のチームで中材を運営している．CEの常駐により，滅菌前点検での不具合発見が可能となり，術中トラブルの軽減や手術の効率化，看護師の負担軽減につながった．また，機器の購入・修理・更新の一括管理が可能となり，CEの役割の重要性が増している．さらに，洗浄・滅菌装置の選定やバリデーション維持，清潔補助・スコープオペレータ業務にもCEのスキルが活かされている．今後の業務拡大を踏まえ，CEに求められる役割や必要なスキルについて考察したい．