講演情報
[シンポジウム6]美容医療AIの理想と現実
秋吉 夏帆 (㈱CrownStrategy)
保険医療の世界と比較して相対的に規制の少ない美容医療ではAI機器が急速に普及し,デジタル化による医療現場の負荷低減といった,<理想>への追求が急速に進んでいる状況である.例えば,術前後の画像シミュレーション,治療方針の標準文書生成等,AI機能が積極的に活用され,医師の説明負担の軽減や患者の意思決定支援の効率化が実現されている一方で,同時に,様々な<現実>=課題にも直面しはじめている.AI精度・バイアスの問題,医療安全の検証不足,サイバーセキュリティやプライバシー配慮,患者・医師・メーカ間の責任分界の曖昧さ等,こうした課題群が,技術先行型の<理想>の追求とともに先鋭的に浮き彫りになってきているといえる.こうした状況を踏まえ,本講演では,美容医療のAI活用に伴う様々な課題(=<現実>)を諸事例とともに紐解きながら,今後の保険診療の世界でAIが浸透していく未来(=<理想>)に向け,どのような教訓を学ぶことができるのかについて,分析・報告したいと思う.