講演情報

[シンポジウム7]プラネタリーヘルス総論

梶 有貴 (国際医療福祉大学 総合診療医学)
地球環境の破壊や気候変動が健康に与えるリスクは,今後ますます深刻化する課題であり,医療分野においてもその影響を考慮した新たなアプローチが求められている.「プラネタリーヘルス」とは,2015年にロックフェラー財団と医学誌『ランセット』から提唱された概念であり,政治,経済,社会などの人間システムと地球の自然システムが相互に依存していることを前提に,地球と人間双方の健康の実現を目指す考え方である.本講演では,地球環境の変化が人間の健康に及ぼす影響と,医療分野が引き起こしている環境への影響を概説した後,「プラネタリーヘルス」の概念とその重要性を解説する.また,医療機器分野における持続可能な医療の実現に向け,具体的にどのような取り組みが必要かを考察する.