講演情報

[シンポジウム8]大規模病院におけるバリデーションの取り組み報告

大川 博史 (東京大学医学部附属病院 材料管理部)
当施設の材料管理部・手術部が管理している再生処理設備には,高圧蒸気滅菌器9台,過酸化水素滅菌器5台,低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌器1台,ウォッシャーディスインフェクター7台,超音波洗浄器2台,減圧沸騰式洗浄器1台,内視鏡洗浄消毒装置1台,システム乾燥器8台,ヒートシーラー7台などがある.我々が医療器材の再生処理をおこなう上ではどれも欠かすことができない設備であり,どの工程においても規定範囲であることを確認していなければ,滅菌保証を確認したと言えず,安心・安全な医療器材の提供とは言えない.また,多くの検証をおこなった上で払出されていたとしても,周囲の理解を得るためには可視化が重要であり,文書化したものをいつでも開示できるよう準備しておくことが重要である.しかしながら,取り扱う器材は施設によって様々なため,滅菌保証の理解や取り組み方法について,各施設苦慮していることが現状であろう.そして,施設規模に関わらず,管理する設備が増えることで,保守にかかる費用は比例して大きくなり,バリデーションも同様で,必要な予算をとることが難しい.こういった状況の中,各施設での取り組みを共有することは重要であり,何をどこまですべきなのか,日々検討していく必要がある.本シンポジウムでは,1,000床を超える当施設の取り組み事例を紹介することで,他施設の取り組みへの一助となることを期待する.