講演情報
[シンポジウム8]やってみよう!中小規模の病院でもできる、滅菌バリデーション
西島 歩 (成和会 西新井病院 手術室)
中小規模病院では,中材の運営を手術室看護師が担っているケースが多い.手術に対応しながらの中材の運営は,人的にも時間的にも余裕がない.このような状況の中でも,正しく滅菌できているかを検証するために,日常的な確認だけではなく,定期的にPQを実施する必要がある.2021年『医療現場における滅菌保証のガイドライン』には,データロガーを使用したPQの実施について多くの文言が書かれており,あたかもPQの実施にはデータロガーが必須であり,中小病院での実施は現実的でないという先入観がもたれやすい.しかし,PQにはデータロガーの代わりにBIを使用した「微生物学的PQ」もガイドラインに記述されており,中小規模の病院でも取り組みやすい方法である.本講演では具体的にどのように微生物学的PQを準備し施行するかを解説する.患者の安心安全のために,中小規模病院の中材が滅菌バリデーションの実施に一歩を踏み出すきっかけとなれば幸甚である.