講演情報
[シンポジウム9]ベッドサイドにおける電波切れへの経験と対応について
瀬戸山 久幸 (慈泉会 相澤病院 3A病棟)
相澤病院では,2020年よりモニタアラームコントロールチーム(以下MACT)を発足させ活動を開始した.発足理由として,急変患者のモニタアラームの発見が遅れる事象が発生した.病棟では常時モニタアラームが発生しており適切な管理ができていないと考えられた.MACTのビジョンとして“患者の危機的な状況を見逃さない,院内統一した安全で医療者の負担の少ない生体情報モニタリング方法を確立し,継続すること”を活動の軸としている.モニタアラーム総数の割合からテクニカルアラームの削減を優先して取り組みを開始した.比較的取り組みやすい,テレメータの電池確認アラームの削減に対する施策をおこなったところ,電池確認アラーム発生数が1病棟あたり約2,000件/月から200件/月と90%減少に成功した.施策内容としては①指定の電池を使用する.②必ず新品を使用する.③装着開始曜日に関わらず,月午前・水午前・金午後に交換する.④「電池確認アラーム」が発生した場合は,直ちに交換する交換基準を決定し実施した.電池確認アラームは,テクニカルアラーム全体の割合からみると少ないが,この施策を通して,看護師のモニタに対する意識改革の効果も得られ,アラーム数が削減された以上の効果があった.また,効果が目に見えて現れたため,達成感やその後の施策の指標として活かすことができるのではないかと考える.最後に,各施策に対する定着状況のモニタリングを継続し,施策の計画・実行・定着評価・改善のサイクルを回すことにより,不要なアラーム削減を目指すことで相澤病院全体のアラーム対応の質の向上,ならびに患者安全性のさらなる向上に努めていきたいと考える.