講演情報

[113]医療機器におけるサイバーセキュリティ対策の現状に関するアンケート結果

新 秀直1, 塩崎 英司2, 中野 壮陸3 (1.東京大学医学部附属病院 企画情報運営部, 2.一般社団法人国立大学病院長会議, 3.公益財団法人医療機器センター)
サイバー攻撃による社会インフラへの影響が深刻化しており,医療機関もサイバーセキュリティ対策(以下CS 対策)の強化が求められている.特にネットワークに接続される医療機器のCS 対策は,見落とされがちである.しかし,医療機器が直接サイバー攻撃を受けた場合には,患者に影響を与える可能性もあり,医療機器の特性を考慮したCS 対策が重要である.
本研究では,これまで公表されているガイダンス等を踏まえた総合的かつ実務上活用できる医療機器のCS 対策を検討すべく,各種団体の取り組みや医療機関での医療機器のCS 対策の具体的な現状での対応や課題を抽出することを目的とした.
医療機器CS 対策の現状を把握するために四病協関連医療機関および42 国立大学病院のCS対策担当者に対して,令和6年度厚生労働行政推進調査事業費補助金によるアンケート調査をおこなった.重複データを除外した上で,四病協関連病院170 回答,国立大学病院等40 回答の計210 回答を有効回答とした.
医療機器事業者からの情報提供について,業者主導で提供されているのは,四病協関連病院12%,国立大学病院等5%であり,提供されたことがないのは,それぞれ47%,55%であった.
CS 対策が必要な医療機器が存在することについては,四病協関連病院では,74%があまり知らない状況にあり,国立大学病院等でも45%が同様の状況にあった.また,医療機器のCS確保に向けた,院内での連携体制については,四病協関連病院で構築しているのは,16%,国立大学病院等でも23%であった.構築できていないのはそれぞれ40%程度であった.
医療機器のCS 対策については,行政と製造販売業者を中心に取り組んできたものの,実際の医療機関での実装が進んでいないことがわかった.今後,人材育成や予算,手段なども含めて,医療機関で具体的に取り組める内容を検討し分かりやすく示すとともに,自動化する仕組みの検討も必要であると考えられた.