講演情報

[12]災害時における過酸化水素ガスプラズマ滅菌器の事前検証

大原 恵美, 荻野 栄二, 大賀 清美, 三宅 布美代 (倉敷中央病院 中央滅菌センター)
当院は災害拠点病院であることから,中央滅菌部門でも機能を維持する必要性がある.しかし,実態を調査すると非常用電源の設備機器ならびに水の供給などについて,課題を感じている.背景には,2018 年に西日本豪雨が発生し,救急センターにて形成縫合・縫合セットの需要があったことがあげられる.災害対応として,2025 年11 月に過酸化水素ガスプラズマ滅菌器(以下VHP)に非常電源設備を増設し,停電時でも使用できるように設備を整えた.災害時に電気だけで使用できるのがVHP の強みであるが,製品の適応や1サイクルに搭載できる量の妥当性を事前検証したので報告する.VHP のサイクルはエクスプレスとスタンダードを選択した.試験方法は,縫合セットをチャンバーに搭載して滅菌処理をおこなった.滅菌の効果確認は,物理的パラメータの濃度曲線,化学的・生物学インジケータ(CI/BI)の複合評価とした.縫合セット内にもCI/BI を設置した.試験1回目は,エクスプレス(下段に6セット搭載)を選択したが工程がキャンセルされた.試験2回目は,スタンダード(上下段に12 セット搭載)を選択したが,これも工程がキャンセルを示した.要因を追究した結果,トレーの保護で使用している不織布(レーヨン)とメニュー表(A4)が起因していると予測した.不織布を除去しエクスプレスにて滅菌処理を実施したが同じくキャンセルとなった.さらにメニュー表を除去しスタンダード滅菌処理をおこなったところ通常に終了した.物理的パラメータ,化学的・生物学的インジケータは全て合格を示した.これらの試験にて,縫合セットをVHP にて滅菌処理する場合,トレーの保護シートとメニュー表を除去し,エクスプレスは6セット,スタンダードは12 セットの滅菌処理が可能であることが確認できた.非常時の備えとして,機器のサイクルに応じた最小・最大量を把握しておくことが肝要である.