講演情報

[16]生物学的インジケータの取扱いについて実態調査で確認できたこと

久保木 修 (京滋滅菌業務研究会)
滅菌工程のリリース基準として,物理的パラメータから得られる情報の確認,化学的インジケータの合否確認(蒸気滅菌はボウィー・ディックテストが含まれる),生物学的インジケータ(以下BI)の陰性確認がある.医療施設で使用されるBI の多くは,培地一体型であり手順も比較的簡便である.しかし,手順に誤りがあると誤判定となるリスクも抱えている.今回,BI の取扱いについて教育や訓練の実施状況を調査したので報告する.調査対象は,医療施設でBI を使用している393 名とする.培養操作を実施したことがあるのは289 名(73.5%)であり,手順書があるとの回答が222名(76.8%)となる.培養操作時に手順書を確認するが97 名(33.6%)に留まった.BI の教育・訓練の項目は,判定結果の確認方法272名(94.1%),BI の役割257 名(88.9%),培養に関する一連の手順256 名(88.6%),判定結果の記録方法236 名(81.7%),判定時間228名(78.9%)と複数回答の上位5項目であった.一方,下位5項目は,培養器のトラブル対応75 名(26%),培養温度85 名(29.4%),判定メカニズム106 名(36.7%),指標菌111 名(38.4%)という結果であった.操作の教育や訓練は,先輩や上司から217 名(75.1%)が最も多く回答されていた.前段の教育・訓練の項目から判定結果の確認や一連の操作手順から記録方法,判定時間など業務に関連する項目が多いことも関連付けられる.指導の場面でも手順書を確認するが28 名(28.9%)であることから口頭による教育や訓練などが推察される.一度,操作方法を習得すると積極的に情報を更新しない限り,習得した内容の変容,情報の劣化などが考えられる.リリース基準に関わる項目は有資格者による確認や承認などを積極的に取り入れる施設もあるが,有資格者が不在である場合,操作に関わるスタッフがどこまで知識や技能を習得すべきか方針が必要と考える.