講演情報

[25]用手洗浄削減に向けた洗浄方法および洗剤の検討

古田 朋之, 渋谷 恵里, 福田 航, 関谷 拓海, 西本 拓真, 角谷 雅美, 宮崎 大貴, 藤堂 敦 (近畿大学病院 臨床工学部)
【背景・目的】海外ガイドラインでは,用手洗浄は作業者の曝露リスクや洗浄結果の再現性の低さから,可能な限り削減する方向が示されておりISO 17664 でも,可能な場合は機械洗浄を優先することが推奨されている.そのため当院では,用手洗浄の削減を目的に洗浄方法および洗剤の評価をおこなった.
【方法】比較対象は,1.通常方法(浸漬+用手洗浄+機械洗浄),2.機械洗浄のみ,3.機械洗浄(予備洗浄プログラム追加),4.機械洗浄(用手洗浄削減対応洗剤使用)の4群とした.試験器材はドベーキー鑷子,剪刀,止血鉗子を使用し,同一機種・同一条件下で洗浄をおこなった.
疑似血液(羊血液)を塗布後,各条件で3回ずつ洗浄を実施し,目視確認および残留タンパク質の定量をおこなった.
【結果】全ての方法で目視上の汚れは認められなかったが,残留タンパク質量は機械洗浄のみで高値を示した.一方,予備洗浄プログラムや専用洗剤を併用した群では,通常方法と同等の洗浄効果が得られた.
【考察】機械洗浄単独でも一定の洗浄効果が確認されたが,完全に用手洗浄を省くには条件設定や洗剤選択が重要であると考えられた.特に複雑形状器材では,洗浄ムラが生じやすく,プログラム設定やノズル配置など機械的要素の影響も考慮すべきである.専用洗剤や予備洗浄工程を組み合わせることで,物理的擦過力を補完し安定した洗浄結果が得られる可能性があると考えられた.また,用手洗浄の削減は作業者の曝露リスク低減や洗浄工程の標準化,省人化に寄与する一方,全自動化による過信や洗浄不良の見逃しを防ぐため,定期的な性能確認と教育体制の整備が求められると考えられた.今後は実使用器材や固着汚れを対象に,性能適格性評価(PQ)により臨床的有効性を検証し,再現性と安全性の両立を図る必要がある.
【結語】機械洗浄性能を最適化することで,用手洗浄削減の可能性が示唆された.