講演情報

[28]低温真空乾燥機の性能検証

齋藤 篤, 高階 雅紀 (大阪大学医学部附属病院)
【背景・目的】再生処理プロセスの一つである医療器材の乾燥工程では,温風循環型の乾燥機を用いるのが一般的である.ただし,温風循環型乾燥機は管腔を有する複雑な構造の器材では乾燥不良を生じる場合があり,12 時間乾燥機内に収納後も水滴の残留が確認された.今回,乾燥機内を真空状態に置換し,器材内部に残留した水分を減圧沸騰させることで乾燥効率の向上を図る低温真空乾燥機を使用する機会を得た.本研究では,管腔構造を有する医療器材を対象に,低温真空乾燥機(70℃ 60 分)を繰り返し実施し,重量変化が平衡した状態を完全乾燥と定義した.評価は,完全乾燥品の重量と比較した.
【方法】管腔を有する複雑な構造の器材の代表として手術支援ロボット鉗子5本を使用した.乾燥効果は重量測定により評価し,完全乾燥品と重量がほぼ同等になった状態を基準とした.測定は,1.ウォッシャーディスインフェクター(以下WD)洗浄後・乾燥8分,2.WD 洗浄後に低温真空乾燥機を1回使用したもの,3.WD洗浄後・乾燥3時間(低温真空乾燥機未使用),4.低温真空乾燥機で完全乾燥の4条件とした.
【結果】1.WD 洗浄後,乾燥8分では2.9 ~ 3.1g の重量増加だった.2.WD 洗浄後,低温真空乾燥機1回では,0.0 ~ 0.1g 重量増加だった.3.
WD 洗浄後,乾燥3時間では,完全乾燥品と同等の重量だった.
【考察】管腔を有する器材において,低温真空乾燥機はWD による長時間乾燥と同等の乾燥効果を示した.比較的短時間で乾燥が可能であり,WD 乾燥との併用により再生処理工程全体の時間短縮や業務効率化に寄与する可能性が示唆された.