講演情報

[3]内製システムによる鎮静下内視鏡検査記録の電子化と業務効率化の検討

小野 達也, 高橋 祐樹, 宮崎 昌彦 (医療法人住友別子病院)
【背景】当院臨床工学室では,FileMaker を用いた内製システムの構築により,各分野で業務効率化に取り組んできた.今回,消化器内視鏡検査において,紙媒体で記録していた経過記録を内製システムにより電子化したので報告する.
【目的】当院における内視鏡検査は年間約7,000 件であり,そのうち詳細な経過記録を要する鎮静下検査は約3,000 件を占める.しかし,検査室のスペース的制約や鎮静下患者への対応の必要性から,検査中の電子カルテ操作は困難であった.
そのため,検査中は紙媒体へ経過を記録し,検査後に電子カルテへ転記する運用としていたものの,転記作業の負担が課題であった.そこで,iPad およびFileMaker を用いた内製システムにより,検査中のリアルタイム入力を可能とすることで業務効率化を図った.
【方法】従来の紙媒体を基に入力項目を構造化し,選択式入力が中心のシステムとすることでタイピングを最小限とした.さらに,現場の業務変更に迅速に対応できるよう,メンテナンス性を考慮した設計とした.作成した経過記録は,出力後,電子カルテへ取り込む運用とした.
【結果】現在は症例を限定して運用しているが,使用者へのヒアリングおよび作業時間の実測による概算では,1症例あたり約10 分を要していた転記作業が,約2分の取り込み作業へ短縮され,直感的な操作性,記録作成の負担軽減,システム改修対応の迅速性について前向きな評価が得られた.
【考察】電子カルテとの連携はできないものの,内製システムの柔軟性により現場の要望や業務変更に対して迅速に対応でき,業務効率化につながった.今後は,創出された時間を症例数の増加など新たな価値へつなげていく視点が重要である.各現場の実情を理解している臨床工学技士が主体となった内製開発は,現場の課題に即した業務改善の一助となり得る.
【結語】臨床工学技士主体の内製システムの構築により,鎮静下内視鏡検査の記録業務を効率化した.