講演情報

[33]GS1-128 を活用した消耗品管理システムの構築とトレーサビリティ強化

斎藤 拓登, 天野 有二, 宮田 勝博 (社会福祉法人恩賜財団済生会松阪総合病院 医療技術部 臨床工学課)
【目的】従来の属人的な在庫管理プロセスをGS1-128を活用したシステムに置き換えることで,在庫管理業務の効率化・正確性向上を図り,LOT・有効期限の自動記録によるトレーサビリティの強化を実現した取り組みを報告する.
【方法】・ システム環境:Microsoft Excel VBA を用いて入出庫管理システムを構築した.
・ データ入力の自動化:消耗品のGS1-128 をスキャンし,GTIN・LOT・有効期限情報を正確かつ瞬時に抽出・記録した.
・ データベース連携:GTIN をキーに医療機器データベースへ照会し,商品名と製造販売企業名を自動取得し,手入力ミスを排除した.
・ 発注プロセスの効率化:在庫数をリアルタイム管理し,基準在庫数以下で発注候補リストを自動作成する機能を実装した.これにより,担当者は数量確定と最終承認のみで,正確な発注を完了できるようにした.
【導入前の課題】導入前は在庫管理がスタッフの目視確認と手作業に依存しており,以下の課題が顕在化していた.
・ 在庫の過不足:報告漏れや伝達ミスによる在庫切れ・過多.
・ 発注作業の非効率性:手作業による記載漏れや検索時間の増大.
・ 期限管理の困難さ:LOT・有効期限の管理が煩雑であり,期限切れリスクが存在.
【結果】本システムの導入により,上記の課題は解決され,在庫管理精度が向上した.特に,LOT・有効期限の自動記録は,製品のトレーサビリティを大幅に強化した.
【考察】GS1-128 とデータベース連携をおこなう本システムは,低コストなVBA 環境を活用し,医療機関の物品管理における効率性,安全性,および管理品質の向上に極めて有効である.今後は,トレーサビリティをさらに強化するため,最終使用患者の記録までを網羅するシステムへの拡張が期待される.
【結語】GS1-128 の活用により,消耗品管理業務の効率化と期限管理の適正化を実現した.これにより,在庫精度の向上とともに,医療安全に不可欠な製品のトレーサビリティの向上に大きく寄与する.