講演情報
[36]RFID タグによる鋼製器材トレーサビリティ管理がもたらす2 次効果
松尾 光則1, 定 亮志1, 平石 遊子1, 井上 沙織1, 横町 蒼史1, 城本 桂子2, 藤野 託矢2, 射庭 利沙2 (1.大阪公立大学医学部附属病院 医療機器部, 2.大阪公立大学医学部附属病院 看護部)
近年,手術鋼製器材に対するトレーサビリティ管理の必要性が唱えられている.鋼製器材の個体管理には,従来「2次元シンボルマーク」と「RFID タグ」の2方式が用いられている.両方式を比較すると2次元シンボルマークは初期導入費が比較的安価であり,自施設でマーキング打刻が可能である.一方,RFID タグは導入費が高額であるものの維持管理性に優れている特徴を持つ.当院では両方式を検討した結果,維持管理性を重要視し,EBA 社製「中材名人®」によるRFID タグ方式の手術物品管理システムを導入して運用している.本システムは電子カルテの術式オーダーと連携するオンプレ方式を採用し,780 個の滅菌コンテナに格納する鋼製器材約13,700 個にRFID タグを取り付けた.また,単包の器材3,100 セットにもRFID 内蔵のプレート式タグを同封パックして管理をおこなった.実運用では手術スタッフらにPDA 端末を携帯してもらい,器材情報,作業工程ステイタス,滅菌判定ステイタス,器材保管場所などの各種情報が確認できるシステムを構築した.本システムの導入前後の比較では,滅菌コンテナセット組みの時間が従来の平均30.7 分(1回目19.2 分+2回目11.5 分)から9.1 分へと大幅に短縮された.また,器材マスタ管理の効率化,術後カウント精度の向上,保管場所検索が容易になるなど,多岐にわたる業務改善に繋がる2次効果が得られた.これまで鋼製器材トレーサビリティの必要性は重んじられるものの,一方で費用対効果が課題とされてきた.RFID タグ方式による物品管理システムの導入は,手術室におけるDX 化に繋がるものであり,手術に関わる多職種の業務効率の向上に役立ち,今後の人材不足対策にも通じる波及的効果をもたらすものであると考えられる.
