講演情報

[49]術中リンパ節転移診断を可能にする鉗子型Positron Emission Counter(PEC)の開発

伊藤 繁記1, 高橋 美和子2, 赤松 剛2, Kang Han Gyu2, 田久 創大2, 錦戸 文彦2, 山谷 泰賀2, 川村 和也3, 瀬戸 泰之4 (1.未来イメージング㈱, 2.量子科学技術研究開発機構 量子医科学研究所, 3.千葉大学フロンティア医工学センター, 4.国立がん研究センター中央病院)
【目的】放射性薬剤F18-FDG による術中リンパ節診断を目的として,腹腔鏡下において術中にリンパ節を直接計測可能な,手持ち型プローブであるPEC(Positron-Emission-Counter) を開発した.本研究では,ガンマ線計測の検出感度を高めるための最適化をおこない,装置の試作を実施した.さらに,手持ち型プローブ用に規定されたNEMA NU3:2004 規格に基づく性能評価をおこなったので報告する.
【方法】F18 から放出されるポジトロン由来の1対のガンマ線を効率良く検出する計測システムを開発するため,放射線検出器のシンチレータの開発から着手した.支持構造を含めてトロッカー内径12mm を通過可能な最大サイズとなる結晶寸法を算出し,最適化した小型シンチレータを試作した.試作したシンチレータを搭載する検出部および手持ち操作部は,操作性と洗浄・滅菌性を両立させる設計とし,医療用の材料においてPEC プローブを構築した.また,計測値をリアルタイムで確認できる表示システムを新たに開発し,新しいガンマ線計測装置としての一連の機能を完成させた.完成した実機において,NEMA NU3:2004 規格に基づく評価をおこない,感度,空間分解能,視野外放射線除去率(遮へい)の性能を得た.
【結果】試作したPEC プローブは,感度3,200 cps/MBq,空間分解能はX軸方向で5mm,Y軸方向で7.5mm,視野外放射線除去率(遮へい)は99.8%であり,NEMA 規格に基づく性能評価が実施できた.
【結論】本研究で開発したPEC プローブは,F18-FDGによる小型・高感度のガンマ線計測装置としての性能を示せた.試作したシンチレータと検出部の最適化,ならびにリアルタイム計測系の実装により,腹腔鏡下で使用可能な実用性を示した.本プローブは今後の術中リンパ節診断を目的とした利用が期待される.