講演情報

[52]時系列分析を用いた医用テレメータの電波切れ原因判別方法の最適化

本塚 旭1, 出浦 匠真1, 原谷 怜紋1, 川邉 学1, 加納 隆2 (1.埼玉医科大学保健医療学部臨床工学科, 2.滋慶医療科学大学大学院医療管理学研究科)
【目的】医用テレメータの電波切れの原因として,送信機の電源OFF または電波の受信不良の二つが考えられる.これらをリアルタイムに判別するため,我々は1秒毎の受信電圧の推移を用いた判別方法を考案し,第98 回日本医療機器学会大会にて報告した.本研究では,未検証であった漏洩同軸ケーブル方式のアンテナを加え,電波切れ原因の最適な判別条件を明らかにすることを目的とした.
【方法】医用テレメータはLX-8100(フクダ電子),スペクトラムアナライザにはSpeCat2(NEC プラットフォームズ)用い,可変信号減衰器MAT850(マイクロニクス)を介してホイップアンテナまたは漏洩同軸ケーブルを装着した.電波の受信環境は,可変信号減衰器により良好・注意・不良の3段階に模擬した.各条件下で,電源OFF および受信不良の2種類の電波切れを模擬し,受信電圧の推移を1秒毎に記録した.得られた受信電圧の時系列データに対し,移動平均および時間微分を用いた時系列分析をおこない,電波切れ原因の最適な判別条件を検討した.
【結果】得られた受信電圧データに対し時系列分析をおこなった結果,電源OFF と受信不良の2種類の電波切れ原因において,受信電圧の推移に特徴的な違いが認められた.ホイップアンテナおよび漏洩同軸ケーブル方式のアンテナのいずれにおいても,受信電圧は同等の変化を示した.さらに,移動平均の区間数および原因判別に用いる閾値を変化させて最適な条件を検討した結果,両アンテナ方式に共通して適用可能な判別条件が得られた.
【考察・まとめ】受信電圧の時系列データを用いて,電波切れ原因をリアルタイムに判別する方法の最適化をおこなった.本判別方法をセントラルモニタに搭載することにより,電波切れ原因の早期判別につながる可能性が示唆された.今後,実際の電波環境下において,様々な電波切れ状態を再現し,判別条件の精度をさらに検証する必要がある.