講演情報

[60]ディスポーザブルパルプ粉砕機(マセレーター)導入による業務効率化と感染対策の効果

鈴木 風堂, 粟飯原 郁美, 宇野 悦子, 滝口 惠子, 梶原 崇弘 (医療法人弘仁会板倉病院)
【はじめに】入院患者の汚物処理は,看護職・看護補助者にとって不可欠な業務であるが,排泄物への直接接触による感染リスクの露呈が大きな課題となっている.
本研究では,マセレーターを試行導入し,汚物処理における感染リスクの低減および業務効率化への有効性を検証した.
【対象・方法】ADL 低下や治療上の行動制限により排泄介助を要し,かつ意思疎通が可能な患者を対象に,3ヶ月間の試用期間を設けた.
従事したスタッフに対し,使用手順,臭気,動作音,使用感に関するアンケート調査を実施した.
【結果】試用期間中の使用内訳は,尿器11 回,便器11 回,膿盆2回であった.
アンケート結果を質的に分析した結果,6カテゴリが抽出された.
1. 使用手順・操作が簡単である:容器の洗浄不要で労作負担の軽減に繋がった.
2. 汚物処理中の臭気の消失:処理中の不快感が軽減した.
3. 再生紙利用による衛生面の向上:患者の満足度の向上に繋がった.
4. 処理時間の短縮:時間的コストの削減になった.
5. 利便性の高さと設計改善の余地:ポータブル便器に設置可能であった.
6. 作動音や素材に関する患者への配慮の必要性:療養環境の工夫と調整が必要である.
【考察】本システムの導入により,処理時間の短縮と心理的・物理的な不快感の軽減が認められ,労作負担の有意な緩和に繋がった.
また,汚物を「洗浄」から「破棄」へと転換したことで,感染対策の強化に寄与した.
ポータブルトイレでの活用など多目的な利便性も示唆された.一方で,作動音による環境への影響や,内蓋の開閉操作の設計改善および導入コストの余地が課題となった.
【結論】ディスポーザブルパルプ粉砕機の導入は,汚物処理に伴う労作負担の軽減と感染防止に極めて有効である.
今後は抽出された操作上の課題を改善することで,より質の高い療養環境の構築と業務改善が期待できる.