講演情報

[8]過酸化水素ガス滅菌の運用について 参照負荷を用いた試験北の国から 札幌編

石田 克之 (北海道大学病院 滅菌・物流管理部 材料室)
過酸化水素ガスプラズマ滅菌は,低温かつ短時間で処理することができる滅菌法であり,当院において第2の滅菌方法として選択している.しかしながら,滅菌剤の特性からRMD の素材や包装形態などにより滅菌中にガス濃度が低下することがある.それらの課題を解決すべく,当院ではバリデーションを実施し,手順書を作成し運用している.今回,道内滅菌研究会の役員施設で比較試験を実施し,互いの試験結果を確認する機会を設けたので報告する.
試験に使用した滅菌器は,STERAD 100NXALL clear(ASP 社),参照負荷はケースに鋼製RMD と化学的インジケータ(以下CI),生物学的インジケータ(以下BI)を積載し,滅菌ラップ(H600/121×121cm)に包装したもの(合計4.9kg)を滅菌チャンバー最下段に搭載した.最上段手前にはPCD(3M Attest1295 PCD)を3箇所設置し,エクスプレスサイクルで滅菌工程をおこなった.
試験後は,物理的パラメータと参照負荷内とチャンバー最上段に設置したPCD 内のCI/BI の結果を確認した.濃度曲線は,875.31,1094.86 mg-s/L であった.参照負荷内のCI/BIは全て合格/ 陰性を示したが,PCD のCI は全て合格,BI は陽性を示した.
この試験結果の対策として,20 分の事前加温を追加した.濃度曲線は,966.48,1089.91mg-s/L を示し,また,参照負荷内とPCD のCI/BI も全て合格であった.エクスプレスサイクルの場合,搭載しているRMD の素材によって滅菌時間内において加温が不十分な場合が考えられる.重量や素材に応じて事前加温を実施することによって,より安全な運用について担保することができると示唆された.