講演情報

[83]哺乳器用乳首の洗浄評価

佐藤 裕子1, 江島 豊1, 沼田 典子1, 藤島 宏美1, 佐竹 千恵1, 伊藤 優将2 (1.東北大学病院 材料部, 2.㈱エムエス)
【背景・目的】当院の洗浄器ウォッシャーディスインフェクター(以下WD)の稼働性能適格性確認(PQ)としての残留タンパク質量測定は,OPA 法によっておこなわれている.マスター製品の一つとして,以前に洗浄インジケータで陽性が出たことがあった哺乳器用乳首を選択している.乳首は,中性洗剤を使用するため,当院では残留タンパクの抽出は中性の抽出液でおこない,判定は基準値内であった.しかし,「医療現場における滅菌保証のガイドライン2021」では,基本アルカリ性で抽出するとされているため,今回アルカリ性の抽出液で検証をおこなったところ,基準値である残留タンパク質量が200μg/RMD を超えるものがあった.そこで今回,本当に洗浄不良であるのか検証することにした.  
【方法】以下の1)~5)の乳首の残留タンパク質を,OPA 法抽出液をpH 7とpH11 にて2~4検体でおこなった.1)使用後WD にて洗浄 2)使用後浸漬しWD にて洗浄 3)新品を1回のみ使用しWD にて洗浄 4)新品で未使用のままWD にて洗浄(ネガティブコントロール) 5)新品を洗浄せず(pH11 のみ)
【結果】1)~5)全ての残留タンパク測定において,pH11 では基準値である200μg/RMD を超えるものがあった.ネガティブコントロールとして,新品の乳首を洗浄して測定したが,新品洗浄後でも200μg/RMD を超えていた.さらに新品の乳首を洗浄せず残留タンパク質を測定した結果,111~223μg/RMD と基準値を超えるものがあった.
【考察】今回の洗浄評価試験の検証より,乳首の残留タンパク質をOPA 法で測定すると,乳首(シリコン)の材質由来の成分が残留タンパク質として数値に出ることがわかった.すなわち乳首はOPA 法では評価することが困難であることが判明した.今後,乳首の洗浄評価について,BCA 法やCBB 法などの別の判定方法で検討する必要があると考える.