講演情報

[87]当院における消化器内視鏡再生処理後の安全管理と使用可能期限の設定

三木 智恵美 (留萌市立病院 第2 外来)
【背景・目的】消化器内視鏡は半侵襲的な再使用医療機器であり,洗浄・消毒,保管管理が不十分な場合,交差感染のリスクを伴う.医療機器安全管理および医療関連感染対策の観点から,再生処理工程,保管体制の適切な維持が重要である.
当院ではベッドサイド洗浄+マニュアル洗浄+ AER 処理による再生処理を実施しているが,使用頻度の低い内視鏡は保管中の再汚染リスクや使用可否の判断基準が課題となっていた.日本国内において「内視鏡の再洗浄なしで安全に使用できる保管期限(以下ハングタイム(HangTime))」に関する明確な基準は示されておらず,各施設の運用に委ねられている.本研究では,現状の消化器内視鏡の再生処理工程,保管環境および当院での運用実態を把握・評価し,適切なハングタイムを検討した.
【方法】過去1年間の内視鏡使用状況を後方視的に調査した.再生処理後に「医療現場における滅菌保証のガイドライン2021」のAER 項に基づいた洗浄評価をおこなった.再生処理直後,1週間後,2週間後,10 ヶ月後の内視鏡本体の細菌培養検査を実施し,併せて保管庫内部の環境培養もおこなった.スタッフの再生処理・取り扱い・保管に関する自己評価調査をおこない,管理基準の遵守状況を確認した.加えてリプロセスに影響する人的・設備的要因の現状評価を実施した.
【結果】当院では在庫数,コスト,人的資源などの観点から2週間のハングタイムが妥当と想定.すべての洗浄評価は基準を満たし,培養検査・環境培養で細菌発育は認められなかった.自己評価の結果,管理基準を厳守し実施されていることを確認した.
【結論】当院における再生処理工程,保管環境,微生物学的安全性,運用実態を総合的に評価した結果,ハングタイムを最大2週間14 日間(休日の場合は休日明け)と設定し,院内決裁のもと運用を開始した.今後は長期的な運用状況の評価・検証が課題である.