講演情報

[88]内視鏡の再生処理業務の課題抽出と改善活動

湊谷 育実 (医療法人芙蓉会村上病院)
内視鏡を介した感染経路には,汚染された周辺環境に存在する病原微生物が内視鏡機器を介して感染する経路と,体液や血液で汚染された内視鏡や処置具を介して次の被検者へ感染する経路がある.内視鏡の再生処理の多くは高水準消毒で処理されることから,消毒後の取扱いから搬送までの動線,保管環境を適切に管理しなければ再汚染のリスクが存在する.内視鏡検査終了後,ラウンドを実施し使用した内視鏡の洗浄から消毒工程,取出しから保管までの工程や作業動線を観察した.必要に応じてスタッフにヒアリングして課題を抽出した.工程を観察していると「個人防護具の着脱」「洗浄槽の使い分け」や「一次洗浄」について課題が具体化された.適切なタイミングでの個人防護具着脱・交換ができていないことによる汚染リスクや,洗浄後の吸水タオルがシンク近傍にあり,洗浄時に汚染されているリスクが存在していることが確認できた.加えて,高水準消毒後に吸水タオルを再使用していることも確認できた.吸水タオルはディスポシーツに変更し交換するタイミングを明文化した.動線については「清潔」「不潔」に対する認識不足が再汚染リスクと交差感染リスクを招いていることを確認した.保管庫においては明確な手段が示されない環境で管理していることを確認したため,温湿度計の設置と定刻目視確認,記録管理を実施した.これら課題の根本には,口伝による指導や慣例などが散見された.安全で質の高い内視鏡再生処理の標準化と明文化風土の構築を図るために,感染管理認定看護師と内視鏡スタッフが協同し改善活動に向けた取り組みを実施したので報告する.