講演情報

[95]高圧蒸気滅菌のバリデーションにおける新規PCD 開発のための基礎的検討

大川 博史1, 深柄 和彦1,2, 齋藤 祐平1,2, 谷口 優樹1,2, 河野 賢一2, 井上 玲央2, 永原 佑紀3, 清水 俊明3, 牧 登志夫3 (1.東京大学医学部附属病院 材料管理部, 2.東京大学医学部附属病院 手術部, 3.サクラ精機㈱)
【背景と目的】蒸気滅菌のバリデーションにおいて,医療現場における滅菌保証のガイドライン2021 ではマスター製品に自施設で選定したRMD よりも滅菌が困難と考えられるPCD を用いてもよいとされている.代用となるデバイスを用いてPQ をおこなうことができれば,検証にかかる困難な作業と時間の節約が可能になる.滅菌抵抗性の指標として,滅菌時のF 値を比較検討材料とし,蒸気流入部にフィルタを設置したデバイスを製作することで,滅菌抵抗性を調整できないか検討したので報告する.
【方法】上部蓋に穴をあけたステンレス容器を用意し,内部にデータロガーを設置.穴の部分にフィルタを設置し,滅菌中の温度分布測定からF 値の算出をおこなった.フィルタの材質は1.
親水性(ポアサイズ0.2μm),2.親水性(ポアサイズ0.45μm),3.疎水性(ポアサイズ0.2μm),4.ステンレス,5.Glass Fiber を採用し,厚さは1mmで統一,比較検討をおこなった.
【結果】フィルタの違いによってF 値が変化(滅菌中の空間温度F 値691.45 に対して1:635.56,2:673.19,3:658.36,4:699.12,5:677.78)することがわかった.また,今回の結果から,親水性で目の細かい1のフィルタが最もF 値が低く,抵抗性が高いことがわかった.
【考察】疎水性フィルタより,親水性フィルタの方が抵抗性が高く示されたことから,蒸気がフィルタを通る際に水分がフィルタに吸着し,内部の温度上昇抵抗に影響を与えたものと推察される.このことから,親水度の異なるフィルタの使用によって,滅菌抵抗性をコントロールできる可能性が示唆された.