講演情報
[EL3-2]医療機器学という研究を再考する
橋本 悟 (㈱テクロス)
本講演では,日常業務の中に潜む違和感や課題を出発点とし,それらを研究およびイノベーションへと昇華させる重要性について論じる.近年,医療安全の観点からガイドラインやマニュアルの整備が進み,標準化医療が確立されてきた.この流れは医療の質と安全性の向上に大きく寄与してきた一方で,医療従事者の思考停止や,現場発の創造的活動の抑制という側面も指摘されている.
実際,医療現場は高度に専門化された官僚的組織として機能しており,生産性向上を目的とした役割分担や標準化が,結果としてイノベーション創出の阻害要因となる可能性がある.
本講演では,こうした標準化と実務の間に存在するギャップこそが,新たな価値創出の機会であることを示す.講演者自身の実務経験に基づき,医療機器・医薬品マーケティングの非効率性という問題意識から出発し,データサイエンスを活用した意思決定支援ソフトウェアの開発,さらには特許出願および論文化に至るプロセスを具体例として提示する.このプロセスは,単なる研究活動ではなく,現場の問いを仮説として構造化し,検証し,社会的価値へと転換する一連の実践である.
さらに,イノベーション創出に不可欠な要素として「不確実性」と「資源動員」の関係に着目し,それらの矛盾を克服する概念として「創造的正当化」を提示する.医療者および企業が研究・開発に主体的に関与するためには,経済合理性のみでは説明できない価値を構築し,周囲の支持と資源を引き出す仕組みが必要である.
結論として,研究とは論文作成そのものを目的とするものではなく,現場に存在する課題を解決し,社会的価値を創出するための手段である.医療従事者および企業はそれぞれの使命に立脚しつつ,現場の問いを問い続ける研究マインドを持つことで,医療の質向上と持続的なイノベーション創出を実現できる.本講演を通じて,その実践的意義を共有する.
実際,医療現場は高度に専門化された官僚的組織として機能しており,生産性向上を目的とした役割分担や標準化が,結果としてイノベーション創出の阻害要因となる可能性がある.
本講演では,こうした標準化と実務の間に存在するギャップこそが,新たな価値創出の機会であることを示す.講演者自身の実務経験に基づき,医療機器・医薬品マーケティングの非効率性という問題意識から出発し,データサイエンスを活用した意思決定支援ソフトウェアの開発,さらには特許出願および論文化に至るプロセスを具体例として提示する.このプロセスは,単なる研究活動ではなく,現場の問いを仮説として構造化し,検証し,社会的価値へと転換する一連の実践である.
さらに,イノベーション創出に不可欠な要素として「不確実性」と「資源動員」の関係に着目し,それらの矛盾を克服する概念として「創造的正当化」を提示する.医療者および企業が研究・開発に主体的に関与するためには,経済合理性のみでは説明できない価値を構築し,周囲の支持と資源を引き出す仕組みが必要である.
結論として,研究とは論文作成そのものを目的とするものではなく,現場に存在する課題を解決し,社会的価値を創出するための手段である.医療従事者および企業はそれぞれの使命に立脚しつつ,現場の問いを問い続ける研究マインドを持つことで,医療の質向上と持続的なイノベーション創出を実現できる.本講演を通じて,その実践的意義を共有する.
